ニホンカワネズミ
Chimarrogale platycephala platycephalaTemminck .
食虫目トガリネズミ科
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ニホンカワネズミ(大畑)

選定理由
 採食と移動の場となっている渓流の改修や汚染・汚濁などによって、生息個体数と生息域の急速な減少が心配される。

概要
 カワネズミC.platycephalaは、ヒマラヤからビルマ・インドシナ・中国南部及び日本に分布する、いわゆる東洋区系の哺乳類である。日本では本州・九州・四国に分布する。県内での生息確認記録は少なく、県内における詳細な分布は明らかでないが、西中国山地及び江津市と浜田市の山間部では採集や目撃がなされている。隠岐には分布しないようである。
 頭胴長120mm前後、尾長110mmくらい。手足の指の両側に1列の剛毛の列があって、これが水かきの役目をしている。体型はネズミに似ている。ジネズミに近縁とされてきたが、最近の研究によってトガリネズミに近縁である可能性が強くなってきた。
 渓流域を生活場所とし、水中を泳ぎ回って小魚や水生昆虫を捕食している。巣は、渓流沿いの石垣や岩の間などに作られる。
 近年、河川改修によって渓流の岸や川床までもがコンクリートで固められ、カワネズミの生息場所が急速に失われてきている。また、餌となる小魚や水生昆虫も河川形態の変化や水質の汚染・汚濁等によって減少し、カワネズミの生存を難しくしている。

現状認識と今後の保護対策
 現在、カワネズミの保護策は全く講じられていない。保護は、渓流魚の保護と渓流周辺の森林環境の保護が同時に行われるべきである。コンクリートやコンクリートブロックによる護岸は、カワネズミの生息を不可能にする。

参考文献
今泉吉典(1969)「原色日本哺乳類図鑑」保育社
大畑純二(1986)「1982年に採集したネズミ類と食虫類」島根野生研会報(4)P.32−34
織田銑一(1994)「スクラーゼ(二糖類水解酵素)活性からみた食虫類:とくにトガリネズミ亜科とジネズミ亜科について」哺乳類科学第34巻第1号

(大畑 純二)


棲息環境(大畑)
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