オカムラムシオイガイ
Cipangocharax okamurai (Azuma,1980) .
中腹足目ムシオイガイ科 |
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オカムラムシオイガイ (岡村)
●選定理由
島根県東部の猿政山が模式産地である。環境庁レッドデータブックに稀少種として指定されている。県東部の猿政山周辺と広島県東部の吾妻山周辺のみという、極めて限られた地域にしか生息しないという稀産種である。
●概要
本種は殻径が5o程の小さな陸産貝である。1980年(昭和55年)仁多郡仁多町の猿政山(1,268m)の中腹で採集され、東正雄氏が Venus Vol.39(3)に模式産地を猿政山とし
Cipangocharax okamurai オカムラムシオイガイとして記載された種である。
殻は殻径4.5〜4.9o、殻高は2,25〜2.5o、螺層は4〜4
1/6層という小さな陸産貝である。ムシオイガイとしてはやや大型で、殻は堅固、殻色は淡黄褐色にうすい桃色、殻形は扁圧された蛸牛形、殻口はほとんど円形、その周縁は厚く乳白色で光沢がある。底部は乳白色の滑層が著しく発達して臍孔部をほとんど閉じている。蓋は石灰質で厚く円形。軟体はうすいあめ色である。ムシオイガイという名の由来は、殻口近くの体層背部縫合部溝に横たわる「管状」のものが「虫」を背負っているように見えるので、ムシオイガイという名がつけられた。
分布は県内では猿政山周辺のみでしか見られない稀産種である。広島県でも吾妻山六ノ原金屋子神社境内(1983)、同じく吾妻山大膳原で採集された(1990)だけしか記録されていない。
●現状認識と今後の保護対策
本種は先に述べたように、本県では限られた狭い地域に生息が確認された陸産貝である。その生息地は広葉樹林山域の谷筋で、十分な湿度のある腐葉に覆われた砂礫の多いところである。
かつて猿政山は全山が広葉樹林に覆われた山で、稜線付近にはブナ樹も埴生するという自然度の豊かな山域であった。近年、林道が開削され、広葉樹林の広い範囲が伐採された。このために最初に採集した生息地は裸地となり、その地域のものは既に絶滅した。残された生息地も次々と伐採のため裸地となってきている。生息地のこれらの広葉樹林を保全しない限り、絶滅は避けられないと考えられる。
●参考文献
東 正雄(1980)「島根県猿政山産アップタムシオイガイ属の1新種」Venus
Vol.39(3)
東 正雄(1982)「原色日本陸産貝類図鑑」保育社
小松茂美・久家光家(1983)「オカムラムシオイガイCipangocharax
okamurai(Azuma,1980)新産地について」ちりぼたんVol.14(3)
平岡喜代典(1991)「オカムラムシオイ Cipangocharax okamurai(Azuma,1980)の所産地」比婆科学Vol.150
湊 宏(1993)「クチキレムシオイガイ属の貝殻と蓋による種の探索」ちりぼたんVol.24(1)
(岡村一郎)
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オカムラムシオイガイ (岡村) |
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