ヤマタカマイマイ
Satsuma (Satsuma) papilliformis (Kobelt,1875).
柄眼目ナンバンマイマイ科
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ヤマタカマイマイ (岡村)

選定理由
 近畿北部地方では広い範囲に分布するが、中国地方東部になると生息が少なくなり、島根県では東部の船通山と猿政山でしか見られない種で、西部では全く見られない。猿政山が山陰側の分布西限ということである。本県では稀産である。

概要
 本種の分布は、文献によると北陸から近畿北部を経て中国地方東部と分布の範囲は広いが、生息数は多くなく、県内では東部の船通山と猿政山の山間部の限られた地域に僅かな個体数が見られるのみである。鳥取県大山山麓のブナ林帯には比較的よく見られる。模式産地は1875年Kobelt氏が記載した時に日本としたため、具体的な地名は不明のままである。後年Pilsbry氏が1895年に記載したステルンマイマイは同種異名である。
 殻は殻高31o前後、殻径25o前後、螺塔は高く卵形で7.5層位。殻色は淡茶褐色で周縁に細く淡い茶褐色の色帯がある。軟体部は黒褐色である。
 本種の採取記録は、まことに少ない。猿政山では1個体のみであり、船通山でも数個体のみしか採集できていない。

現状認識と今後の保護対策
 ヤマタカマイマイは、中国山地の西部にいくに従い分布が少なくなるもので、猿政山が山陰例の西限である。船通山、猿政山の何れも広葉樹林のブナ林帯という限られた地域にしか生息が見られない陸産貝である。猿政山での生息地となっていたところは、既に伐採されている。
 生息地域の広葉樹林の保全を図ることが生存の不可欠の条件になるということである。

参考文献
比婆科学教育振興会(1959)「比婆、船通、道後、帝釈」郷土科学資料
市岡四象(1959)「北備後地方貝類誌(W)」比婆科学Vol.]I(4)
楪 彰矩(1979)「備北貝類ノート(1)」
東 正雄(1982)「原色日本陸産貝類図鑑」保育社
奥谷喬司(1986)「生物大図鑑」世界文化社
(岡村一郎)


ヤマタカマイマイ (岡村)
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